キーワード　支援を得る、努力が報われる兆し

ｂｙ神託のタロット: ギリシアの神々が深層心理を映し出す

 【今週の星回り】

28日、午前11時50分、皆既月食（満月）。
30日、てんびん座の太陽と水星が0度。
2日、てんびん座の太陽とふたご座の月が120度。

地球に接近した位置での満月はスーパームーンと呼ばれます。

月は潮の満ち欠けや出産、人々の感情など地上に大きな影響を与えます。

月がもっとも近づくスーパームーンのとき、それはさらに力強いものになります。

そんなパワフルな満月から始まる今週のカードは、カップのキングです。

そして、ジャンピングカードはワンドの4です。

ワンドの４は、今週あなたの努力が報われることを示しています。

満月は完成のときです。

月食は半年に起きる現象で、このカードは、この半年間のあなたの行動や創造的なアイデアが実を結び、収穫や報酬をもたらすことを示しています。

４は安定や基盤を表す数です。

この収穫は通過点で、あなたの人生の基盤や土台ができたに過ぎません。

ワンドの４のカードに描かれたイアソンは金羊毛皮を求める旅をしていますが、この段階ではまだ、目標を達成していないのです。

彼は、その困難な挑戦はたった一人で成し遂げることは難しいと考えました。

だから、力を貸してくれる仲間たちを集めたのです。

神話ではこの勇士たちはそれぞれ異なる能力を持つとされています。

カップのキングであるオルペウスもその一人です。

満月の太陽はてんびん座にあり、今週、てんびん座で太陽と水星が重なります。

てんびん座は協調性やパートナーシップを意味します。

あなたが次の段階へ進み、心に描いたヴィジョンを創造するためには、

さまざまな才能や個性を持つ人々と協調すること、

もしくは、あなたの内側にあるまだ自覚していない能力を引き出すことがカギとなります。

メインカードのカップのキングは、傷ついたヒーラーを象徴しています。

思いやりや共感によって他者を癒やすことはできるが、自分自身の傷ついた心を癒やすことはできない。

それが、カップのキングに描かれたオルペウスです。

オルペウスの物語

オルペウスは、毒蛇にかまれて死んだ妻エウリュディケーを取り戻すために冥府に入りました。

彼は名高い竪琴の演奏家で、彼の引く竪琴のもの悲しい音色に、渡し守のカロンも、冥界の番犬ケルベロスもおとなしくなり、冥界の人々は魅了され、みな涙を流して聴き入りました。

冥界の王ハデスの妃ペルセポネもオルペウスはもの悲しい琴の音に涙を流し、ハデスを説得してくれたため、エウリュディケーを地上の世界に返す許しを得ます。

ただし、ハデスはたったひとつ条件をつけました。

「冥界から抜け出すまでの間、決して後ろを振り返ってはならない」

そうして、オルペウスはエウリュディケーを後ろに従えて暗い道を登って行きました。

目の前に光が見え、冥界からあと少しで抜け出すというところで、妻がついてきているか不安になったオルペウスは後ろを振り向いてしまいます。

そのとき、目にした妻の姿が最後の別れとなったのです。

オルペウスはハデスの言葉が信じられなかったため、あと一歩で手に入れることができた幸福をのがしてしまったのです。

これは、私達が心のどこかで無意識や人生の力を信頼していないことを示してしています。

今週、スーパームーンはあなたの創造的なアイデアを成就させます。

そして、さらにあなたの心の奥深くにある願いや望みを明らかにするでしょう。

それは、あなたの人生を明るく照らすものです。

でも、あなたは、それにワクワクしながらも、そんな可能性やヴィジョンを信頼できないかもしれません。

それを意図し、ゆだね、人生を信頼すればいいだけなのに、自分でコントロールしようとハンドルを手放せない場合もあるでしょう。

オルペウスは、共感力と指導力にあふれ、他者の痛みを癒やす賢明なカウンセラーですが、彼は理性を手放していなかったために優れたカウンセラー以上の存在になることができませんでした。

今、あなたが、今以上の存在になるためには、無意識の力と人生を信頼することです。

そして、あなた自身（自我、エゴ）を手放し、力を失わせることがそれを可能にするもっとも早道であるかもしれません。

「スーパームーンがあなたの半年間の努力や行動の成果をもたらします。

でも、これは土台を築いたに過ぎません。

あなたが今以上の存在になるためにすることをもうあなたは気がついているはずです。

それを成し遂げるには、あなた自身を手放すことがもっとも早道であるかもしれません。」